IMG_1413

なんていうかつくづく「グルメ」とか「食べ歩きが趣味」みたいなタイプな人間ではないとといつも思う。
どこかに「原稿」とか「話題」みたいな強迫観念が常にあって柄にもない新しいお店を覗いてみたりするだけで、そんなのがなければずっとラーメン屋さんくらいしか行かないんだろうな。と思う。逆に言うと、感謝もしていたりする。

そんなこともあって、ぼっち飯で、特に夜に初めての店に入るのはちょっとした勇気がいる。

興味津々でもあるんだけど、どこか腰が引ける。
居心地が悪かったりするとホントにツラいし、飯が不味かったりすると世をはかなみたくなる。こればっかりは実際に入ってみないと分からない。これだけは身にしみて学習したかんじ。
何度か店の前を往復したり、食べログで営業時間を調べてみたりもする。評価はあんまり役に立たない。これも学習したことのひとつ。

でも時々、本当に時々、ふら~っと入ってしまうこともある。
この店がそうだ。
そして、とても良いお店だった。引き寄せられるとはこういうことなのだ、と思った。

ぼっちでも良し、グループで来たお客さんも楽しそうだ。こういうお店はいいね。

IMG_1419

赤を基調にしたカフェ風の店構えに、大きなカウンターにテーブルが幾つかのお店。ビストロという感じ。

眼鏡の奥の優しそうな笑顔に誘われてカウンターに座る。
あ。というかんじ。不思議とカウンターが居心地が良いお店がある。
こういうお店ではとりあえずオードブルの盛り合わせ的なものからお願いする。一人分でも対応してくれるお店はぼっちに優しいお店。

羊の自家製ソーセージに、ウニのムース、さんまのキッシュ的ななにか。どれも素晴らしくて、特に羊のソーセージが気に入った。一緒に頼んだ白ワインにぴったり。

店主は物腰が柔らかくておしゃべりが上手。
一切、手を止めずに柔らかいトーンで色々と話しかけてくれて、色々と話してくれる。とても優しい人だ。

実家の事、家族のこと、フランスでの修行のこと。
どんな話も楽しそうに話す。次第に客が続々と入ってきて、こちらもちょっと申し訳なくて「気にしないでお仕事してくださいね」なんて言うと、「いや、もう喋りながらのほうが楽しいですから。もう慣れちゃって」
と、軽やかに笑う。笑っている下の方では猛烈に包丁が動いている。

その様子を見てるだけでも少し幸せな気分になる。

「キノコの料理を食べたいんですが」
というと、少し考えて「きのこのフリカッセ」を作ってくれた。
鳥の巣状のカリカリのパスタの下には、クリーム仕立てのキノコとペースト状のディクセル、椎茸のソテーの三層になっていてシンプルなキノコの味と複雑な味わいが楽しい。これもワインが進む。

ワインをおかわりして店主と少し話していると帰らないといけない時間はあっという間。
もう少しいてもゼンゼン良い感じ。

誘われるように入って良かった。またぼっちに優しいお店を見つけました。
この日はワインを2杯と2品。それとおしゃべりたっぷりで4000円くらい。

後日、深夜1時位に店の前を通りかかったら、店頭のテラスのテーブルまで客が溢れかえっていた。人気店だったのだ。やっぱりね、という感じ。

IMG_1427ル・トン・デ・サヴール (Le temps dessaveurs)

092-713-1182
福岡市中央区薬院2丁目2-18矢野ビル1F
18:30~翌1:00(くらい)