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「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」リアルなんてまっぴらというリアル。

  • 2011/05/31 火
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まったくリアリティのない世界で愛に溢れた映画。
オールドゲーム好きなら全編にちりばめられたコネタにツボること間違いなし。

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バカ映画が好きなのだ。
深刻な顔して難しい事を語るより、気持ちを一字一句漏らさず「喋ってしまう」陳腐な恋愛映画より(これはバカ映画のジャンルに入るけど)好き。

現実なんてまっぴらだ。なのに、バカの中に真実はある。
そう、バカ映画にはお金も知性も品性もない。でも、溢れるほどある「愛」に打たれる。

「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」は「愛」の映画だ。監督のエドガー・ライトは「愛」の監督だから。まったくの理屈がひとつも通らない愛に溢れた見事なバカ映画。

最初に観た「ショーン・オブ・ザ・デッド」は、ゾンビ映画に対する愛が溢れたバカ映画だった。どんなゾンビ映画よりも正しいゾンビ映画。でもコメディ。

次の「ホットファズ」はポリスアクションに対する愛。もちろんコメディ。それもかなり酷い。なのに熱く少しサスペンスもある傑作。日本では公開予定がないのに署名活動で公開決定したというエピソードがまたよく似合う。

「スコットピルグリム」は、ロックとゲームへの愛だ。
そして北米での大コケでまたもや公開が危うくなり、また署名で決定した。

ストーリーは簡単だ。
カナダに住むヘタレでオタクのスコット、23歳無職、ルームメイトはゲイ。そして、インディーズバンド「Sex Bob-omb」のベーシスト。最近、中国系女子高生ナイブスという彼女ができた。

冴えないバンドはプロを目指してバンドバトルに挑もうとする。

ところが、アメリカから逃げてきたらしいエキセントリックなラモーナに一目惚れしてしまって、大変。二股だけならまだしも、ラモーナとつきあうには彼女の7人の元カレを倒さないといけない。

という。良く意味はわからないかも知れないけどこんな話。簡単に言えば高橋留美子的なラブコメパターン。そこにゲームとロックを全体にまぶしてある。原作はカナダの同名コミックス。

慣れるまでは、カリカリにスベりまくっているようでノれないかも知れない。

画面のあちこちにテレビゲーム(しかもファミコン)的な意匠やエフェクトがあり、電話が鳴れば「RRRRR」とポップな文字が躍る。場面の転換は脈絡内ほどぶっ飛んで、肝心の敵は意味もなく天井を破って飛んできてくる。ヘタレのはずのスコットは光る剣を振るって、打ち倒すと無数のコインとなって散る。「仮面ライダーオーズ」ってこの映画からパクった?ま、この映画もゲームからパクってるわけか。

終始こんな感じ。

「ブラック・スワン」と立て続けに観て、現実と妄想の間の境目を曖昧にしてリアリティを増す為に、神経質に丁寧に作られ感動したのに、はしごをはずされたような気分。 まったく説明する気もない潔さ。

だから、「何故?」って思っていると乗り遅れる。別に理由はないから。こういうもんだと早々に諦めるべきだ。そうすればやがてゲーム的快感がやってくる。

ゼルダの伝説、ダンスダンスレボリューション、パックマン、テトリス、ストリートファイター、マリオなどが映像表現としてあるいは音楽や、パロディや会話として次々に現れる。まず、オープニングのおなじみにユニバーサルのロゴからして、カクカクのドット絵に8ビットの音楽で登場する。そういう映画ですよ。という素敵なオープニングだ。

襲いかかる元カレも、空飛ぶインド人に始まり、ゲイっぽいマッチョのアクションスター、完全菜食主義を貫いて超能力を使えるベーシストなどなど、そしてラスボスの音楽プロデューサーギデオンまでひとつとしてマトモではない。

段々、脳がゆるゆるになってその世界にはまれば熱くなる。スコット達の活躍と、監督のゲームやロックや映画への愛に胸がいっぱいになるかも知れない。

がーんとギターをかき鳴らしてキラキラ光って、ドカーンとぶっ飛ばしてコネタでヘラヘラ笑っておけば幸せ。

そんな中で、映画の最初でクズのスコットにさっさと捨てられる、中国系女子高生ナイブス・チャウがキュート。そんなに可愛くないんだけども、スコット命で酷い目に合わされながら、パワフルにつきまとう姿に応援したくなり、そんなスコットなんかの為に体を張る姿にグッと来る。

この映画の主役はもちろんスコット・ピルグリムだけど、もう一人の主役はナイブスだと映画を見終わると誰でもわかる。終始リアリティのない空間で唯一リアルなのはナイブスの感情と成長なのだ。

スコット・ピルグリムはマイケルセラが好演。ていうか、完全にヘタレのヘラヘラ。全くリアリティはないのだけど、ヘタレのクセに二股かけて片方を躊躇無く捨て、元カノは自分のバンドのドラマーと、今は大スターのアーティスト。で強い。なんて役、リアリティが無いからユルされる。と思う。

そんなスコットも元カレ軍団と戦う中で少しだけ成長して、大事な事を教えてくれる。

「人生はやり直しがきく」ということ。1upすれば。

そんな映画なのに音楽は超豪華。
音楽プロデュースはベックやレディオヘッドのプロデュースもした売れっ子ナイジェル・ゴドリッチ。そんな縁もあって、スコットのバンド「Sex Bob-omb」の曲はベックが提供している。ブロークン・ソーシャル・シーン、ブルートーンズにコーネリアスも提供している(ただし、映画ではほとんど聞けない)。

映画と現実がリンクしていると名作だと、往々にして人は言う。
ならば、この映画は超駄作。
ボンクラの夢は現実から逃避するだけだから。少しもリンクしない。のに、どうしてこんなに好きなんだろう。

少しもリアルのない8ビット世代のロックオペラ。かなあ。かなり前の世代になっちゃうなあ。
ノれれば最高、ノれなければ最悪。全編の愛を受け止めることができれば良いのかも知れない。そういう意味ではやっぱり愛の映画。

 

そういえば、僕はいつも映画を観ていても、現実と少しもリンクしない。映画は映画、現実は現実。
僕もボンクラなのだな。

そうだな。現実はまっぴら。

 

 

映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』公式サイト http://scottpilgrimthemovie.jp/index.html

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Comments:1

qiyclVHTZqrYcTHYnZ 2012/05/08 03:41
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