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「エド・ウッド」好きなだけではだめかしらと悩むアナタに。

  • 2011/05/31 火
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人生って誰もが順風満帆ではない。
今やってる仕事や生き方が明らかに間違っているような気がして、いくらがんばっても上手くいかず年齢だけを重ねる。

そんな時ふっと想うのだ。
好きなだけではだめかしら。いや、そも好きなのかしら。

90年代の無闇なビデオソフトの乱発期。C級、D級映画ブームの中でやたらと「エド・ウッド」の名前は轟き渡っていて、当時伝説の「Plan 9 From Outer Space」の直輸入盤らしきものを、友人宅でワクワク死ながら観て猛烈に後悔した記憶がある。

最低映画なんていわれて、軽いサブカル優越感のごときしたり顔で観てはいけない。つまらない映画は本当につまらないのだ。今ひとつよくわからない画面。話はつながらず、円盤の糸はクッキリ。

と、いう懐かしい思い出。

そんな中で、なんとエドウッドの伝記映画ができるという。しかも、監督はティム・バートン。1994年のこと。

好きな映画監督は何人もいるが、ほぼすべての作品を観ていてほぼどれもが好きな監督は少ない。ティム・バートンはそんな希有な監督の一人。嫌いなのはリ・イマジネーションとか言われた「猿の惑星」のみだ。なんだそのリ・インカネーションみたいなのわ。

映画「エド・ウッド」は一番好きな映画ではないが、愛してやまない1本となった。


最低の映画はいくらでもあり今も量産されているのに、世界のファンが「史上最低」と呼ぶのはワケがある。

 

映画への敬意と愛は世界一ある。ただ才能が全くないだけだ。

映画の都ハリウッド、1953年。当時若くして「市民ケーン」で功をなしたオーソン・ウェルズに憧れ、映画に情熱を燃やすエドワード・D・ウッド。すでに30の冴えない男。

エドウッドは、性転換手術をした男性の物語の映画化に運命を感じる。だって、エド自身が女装趣味だから。で、なんとか監督にと売り込むがもちろん上手くいかない。

そんな折り、エドは往年の往年の怪奇スター、ベラ・ルゴシと出会う。ドラキュラで一世を風靡したことも今は昔、すっかり落ちぶれクスリにおぼれている始末。目の前の彼に気付くのは、エドくらい。 本物のエドウッド

エドはベラ・ルゴシを巻き込んでついに映画監督の座を手にする。
映画のタイトルは、「グレンとグレンダ」。

女装男とその恋人はエド自身と彼女が演じ、彼女のピンクのアンゴラセーターを着て「グレンダ」と名乗って女装してうろうろするグレンと彼女の和解劇というよくわからない話を、異様に長い女装シーン、意味ありげでないカット、つながらない編集、悪夢のようなイメージで映画化。さっそくコケる。

以降、彼は身近な彼女や周りの人間、出資者さまざまな人間を言葉巧みに、いや情熱も巧みに巻き込んで行き、騙し次々と映画を制作する。時に資金が尽きれば映画出演をだしに出資させ、シーンが足りなければ撮影所からタコのぬいぐるみを盗み出して追加する。

そんな彼の周りに集まってくる役者たちも、みな吹きだまりの残念な被害者だ。

一番の親友であり被害者であるベル・ラゴシはもとより、TVの人気者だったのにアカ狩りで失業したヴァンパイラ、超適当な予言者クリズウェル、ただ唸るだけのプロレスラー、トー・ジョンソンなどなど。そして夢見がちなエドの元を去る彼女ドロレスフラーと、そんな最後まで尽くすキャシー。

みんな、なにかを失い傷ついた人たち。ロクなものではないエドの周りに肩を寄せ合い、酷い目ばかりに遭いながら奇妙な家族的結束を見せ始める。

一方でベラ・ルゴシに死の影が迫り。

そして、エドウッドは生涯の代表作「Plan 9 From Outer Space」の撮影を開始する・・・

というお話。

映画は全編、古き良き時代によく似合う美しいモノクロ。
全体的には悲惨すぎて笑える悲喜劇といった趣です。ティムバートンの映画としては、とてもシンプルで分かりやすい映画。そして制作過程のあまりの酷さに笑ってしまう。

ティムバートンと多くの作品で組んでいるジョニー・デップとしても、「シザーハンズ」と並んで同率一位の名演。落ちぶれて金に困りそれでも名優のプライドが少しも衰えないベル・ラゴシを、演じるマーティン・ランドーはこの作品でオスカー受賞の素晴らしい演技。 ハリウッドきってのサウンドメイカーハワード・ショアのクラシカルでツボを押さえたスコアも素晴らしいと想う。

段々と深い友情をはぐくんでいくエドとラゴシには胸が熱くなる。
どんな名優も落ちぶれて歳をとれば世間は洟も引っかけない。そんな中で深い敬意と小銭を持って近づいてくるエドウッドに出会ったのが運の尽き。だけど、それはそれでかけがえのないモノ。エドウッドも利用するだけしながら、父子のような関係になっていく。

失業保険も切れ、病院から追い出されるベルラゴシとエドウッドが、深夜子供のようにカメラ片手に追いかけっこするシークエンスの美しさと来たら。


(このショットのしょっぱいおもしろさよ。)

それにつけても、才能もないのに才能がないことさえ気付かず、有り余る情熱だけで厄災の権化みたいなエドウッドになぜこうも個性的な人間が集まるのだろう。と想うわけ。その過程は妙にホンワカしてとても愉しいけども。

そんな人いる。ありあまるパワーにふらふらと引き寄せられてしまうこと。ものすごい理想家か詐欺師に多そうだ。エドウッドはそのどちらでもあった。良い方で言えばさしずめエドウッドの場合は溢れる情熱と、純粋な映画への愛。そのパワーに引き寄せられるのか。 本当に羨ましい。

現在の多くの映画監督もまたその愛情に魅せられている。ティム・バートンはエドウッドへの愛情を随所に散りばめる。

例えば、現実にはなかったあこがれのオーソンウェルズとの邂逅だったりするし、この映画で一番大好きなシーンだったりする。

最後は華やかな「Plan 9 From Outer Space」のプレミア試写会場で終わる。そこにちょっとしたマジックで花束を贈っているのだけど、実際に観てもらえばわかるだろうか。大きな嘘に。

過去に何度かどこかで、エドウッドの映画について書いた。
その時、確かエドウッドに自分を重ねてなんだかんだと言っていた気がしたのだけど、今見返すと少しも重ならない。恥ずかしい限りだった。 悲劇的な人生だけど、重ねるにはおこがましい。

エドウッドはどこまでもポジティブで、やることなすこと人を惹きつける超リア充ではないか。ただ、才能がぜんっぜん無いだけだ。

「史上最低」ってのは実は称号。

人は自分の適正や、夢と現実のギャップに悩み苦しみ、色んな事を諦めて落ち着くトコに落ち着き。その間も周囲に気を遣い、生活に悩みつつ妥協妥協。それと引換に普遍的な幸せを手にするのだ。それが大多数の人にとっての誰恥じること無い人生だし、賢くて幸福なのだ。

だから、そうじゃないもうひとつの人生に憧れる。人並みはずれて映画が好きなだけのエドウッドに共感するのだろう。多分、自分も最低の映画監督を下からあこがれの目で見上げているような気がする。

エドウッドの最後の作品「プラン9」の権利は実はとある教会が持っていた。教会をだまくらかして出演者全員をその教会に帰依させ制作費を捻出したから。それだけでも十分酷いが内容はさらにひどく、全米で試写会を行ったのに結局買い手が付かなかった。

結果、テレビ局に一山ナンボでたたき売られてしつこいくらいに深夜放送され、そのおかげでカルト映画として認知されていく。失意のままエドウッドがアル中で亡くなって後のことだった。

エドウッドにとっては残酷な現実だけど、せめて死後でも人々の記憶に残るのならそれは彼にとって本望かも知れないね。史上最低と愛を込めて呼ばれるのなら。

実はこの映画「エド・ウッド」も今でこそ好きな人も多いが、映画館ではティムバートン&ジョニーデップ作品としては、興行的には異例の失敗作となった。まさにエドウッドの呪いか。

そしてやっぱり、好き者にはたまらない魂の一本となったのだ。と、おもう。

 

YouTube - ‪Glen Or Glenda (trailer)‬‏

YouTube - plan 9 from outer space (trailer)

 

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なんとプラン9も売っていた。499円で。でもあまり薦めない。

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