2004年11月09日

馬見た泣いたメロウな夜


メロウを目指すには常に潤いが必要じゃないですか。
んでもって、そうねえ今日の気分としては、かるーく泣いてみるかねー。

と、軽い気持ちでビデオ屋に行って劇場で見ようと思ったらすぐに終わってしまって見逃した「シービスケット」をレンタル致しました。

ゲロ泣き(またかよ)。

先日お客様のO-taさんから(いつも返事遅くてすんまへん)「そろそろ映画のネタなど期待しています。甲殻類ではないほうが良いですねじゃあかっしわいっ。というリクエストもありましたのでタイムリー。

簡単に説明するとモータリゼーションとその後の大恐慌時代のアメリカで、自動車で財をなしたがその後に息子と家族を失った大富豪、馬から自動車の時代の中で取り残された変人老調教師、恐慌で一夜で家を失い家族が離散した少年。そういった人たちが、見捨てられ駄馬扱いのちびすけサラブレッド、シービスケットに引き寄せられるように集まってくるという話。

1930年代の伝説の競走馬「シービスケット」とそれを取り巻く人たちの、ノンフィクションの映画化なのですね。これが。往々にして現実はまんま描くとできすぎと言われてしまうこともあるのです。これもそう。

あんまりにも美しい風景と美しい競走馬を描きながらドラマは淡々としかしドラマチックに進んでいくわけですよ。どっちかというと地味。でもじっくり見るとすんごいお金かかってそうなんですけど。主人公的な大柄の騎手をトビー"スパイダーマン"マグワイヤーが好演しております。

これは「喪失と回復」を描いた映画なのですよ。あるいは「回復と喪失」を描いているのですね。主人公たちはみんな失っているのですね。家族とか財産とかプライドとか愛とかですな。失った人たちはやっぱり失った馬に惹かれていって栄光を目指していくわけですけど。

失ってる関係は得意な私としてはすでにここでかなり肩入れしたいじゃなかですか。博多弁。

私はエビもカンフーもお尻も出ない映画を薦めようとしているのです。その意気を買って頂きたいっ!

なんつーんですか。「喪失」とか「栄光」は泣きやすいじゃないですか(またぶっちゃける)。でもね。違うんですねこれが。いやあ実話ですからまあ、行き着く先はわかるわけではないですかなんとなく。ちっちっちっちあめーよ!(一人激高)

こーなんですか。失ったモノは他の何かで埋められていくわけですけど、でもね、でもでもですよ(うっせーよ)。やっと変わるべきもので埋めても、今度はそれは失いたくないと怯えるわけです。いいじゃないか目減りしてもこれ以上失わなければいじゃないかっ!

ゲロ泣き。

でもそうではダメなんですね。いくら守っても肝心のものを失っては生きている意味はないじゃないかっ。ダダーン、ゲロ(以下略)。悲しいというか男泣き。

というような繰り返しと葛藤をしながら、終わるかナーと思うとまだ終わらない。終わらないどころかまた盛り上がる。マジかよこれホントの話かよ。デンゼルワシントンの「ジョンQ」は実話だったけど無理矢理ねじまげて感動巨編にしたらしーじゃねーかよじゃっかわっしゃいっ(だんだん興奮)。
もーあなた。前半は丁寧に状況を描くのでかったるいナーとか思いつつぐんぐん盛り上がって、肝心のレースシーンなんかすごいこと。

馬がどっどこどっどこ美しい芝生の向こうからだだだだだーーーーーっと走って、ムチムチっ!走れシービスケット負けルナシービスケット客席のオーナーは思わず立ち上がり、観客は熱狂する。だだっだだだーどうなるどうなる負けないでぇーシービスケット走り抜けろーシービスケット。ぎょえーーーーーーっ!

と(うるさい解説だこと)こう入れ込んでしまうのですが、これが最後の方なんかアナタ「もう走らなくていいから無事コレ名馬シービスケットぉぉぉぉっ!(なに言ってる)」となるあたりがすごい映画。スクリーンの向こうはきわめて抑えた演技なのに、こっちはアナタもう全開ですよ穴という穴が(きったねえな)。

大丈夫です。映画見ないとわかんないから。

情緒的というよりはかなり長い時代を描くので気持ちよくハショりまくるので、正直最初はわかりづらい所も多いですし感動巨編的な落としどころをイチイチすかしたりするわけですが、こーじわっじわっじわっと来るわけですよ。 見ろ。悪いこたいわんもー見ろ。


映画館で見たらもっとよかったなあと後悔しました。映像もアナタハンパなく美しいですし迫力も後半あるのですよ。

最後にこの映画は1940年くらいでぷつんと終わってその後については一切説明はないのですね。無くて良いのですが、ちょうどその後からアメリカは戦争に勢を出し始め現在に至るわけですからね。昔々の話なのだよ。という、ちょっとセンチメンタルなメッセージもかすかに感じてそこもグーでございました。

まあ色んな意味で大人の映画。甲殻類も内臓もカンフーもないけど(希有)。


追)今、アマゾンのレビューなんか見てたら「今ひとつどーんとこない」とか「期待ハズレだった」とか書いてありました。お前らみたいなのはジョンブラッケンハイマーとか原作:カリブの海賊とか見ときなさい。と思いました。や。またハズレをおすすめしてるのか。いや、違う。おもちろかった。

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