2005年09月14日
神様の愛い奴
昨日は昼から打ち合わせ。
なんだかヘンな経緯で(過去の仕事がらみだけど)知り合いから依頼されてとある会社の新人君のヘルプで参加することに。
まあオブザーバーというか上司の替わりというかダミーというか。零細企業ではこういうこともあるのだった。
なんか最近もはやマトモな仕事をしてないよーな気もうっすらと。
まあ、相手先に一緒に出張ってじーっと座って困ると助けるくらいの事なのでまあラクっちゃラク。向こうの人がこのオッサンは? と視線を向ける前に横柄な態度で関連企業の人なのであーる的な自己紹介してしまう。横柄プレイというのもあるのです。
それはいいのだが、一緒に行ったこの新人君は中途採用の31歳なのだけどとんでもなくグダグダなのであった。顔はバカボン(息子) にそっくりなのだが(体型も)これでも上品な某私立大学のエリートだという。問題は緊張の仕方が尋常でないのであった。
会議室の一角に座ってどーもどもどもとか言いながら机にぶつけそうなくらい頭を下げて、 頭を上げるのを忘れるという人を見たことがあるか。ない。私は初だ。
正しくはもちろん頭をあげているのだが、上げきらずに斜めに向いたまま固定したのであった。 珍しい。緊張しいとは本人から聞いていたが机見ながら話そうというのはどう緊張したらできるのかわからない。
当然、本題に入っても緊張して(ちなみに彼は取引先と初対面ではもちろんない)あわあわ、 文字通りアワアワしてしまいうっかりするとそのまま固まってしまったりするので、 相手さんは私に救いを求めてくるのであった。それも困ったモンで、一応事前に資料は目を通していたのだけど私だってアワアワ・・・ これがしないのであった。
人間は強い。てきとーな事を言わせれば東洋一の私(嘘です)は、 のらくらと言い逃れまくりしまいにはなんとか向こうは納得してしまうのであった。まあ、 ご挨拶程度で元々知らない世界でもなし今回あわてようもあんまないっちゃないのであって、新人君がおかしいのである。
ともあれ最大のピンチを乗り越えて内容の詰めに入り出し、 新人君もピークを越えて持ち前の頭脳がゆるゆる動き出したのでよかったのであった。ほっと一息。またふんぞり返っていると、
いきなりお茶をかけられる新人君。
これはトラブルなのであった。 向こうの人がA3のでっかい企画書を開いて身を乗り出し新人君の前に出そうとして新人君の前の茶碗がひっくり返ったのだ。
しかし、ふつー。お茶を膝にぶっかかった場合あなたはどうするだろうか。
「あ」とか言って立ち上がる。あるいは書類が濡れぬように書類をあわててよける。またはとっさに転がった茶碗をあわてて押さえる。など、
様々なパターンが考えられよう。
彼は違う。ジャっ!とかかった瞬間「それでですね」 と無いことにしようとしたのであった。キミ。 君がないことにしようとしても周囲はそうはいかんのではないか。当然向こうの人があわてているので、それを見て随分立って「あっすいません! 」とか言い出すというグワいである。
ちなみに私の顔をハっと見た瞬間、ナチュラルに瞳孔が開いたまんま揺れていた。 完璧な緊張ぶりに私は心の中で拍手を送りたくなった。
ま、そういう些細なトラブルはあったものの無事終了。
私はおかげさまで頼りがいのあるどこの誰かは分からない人という信頼も勝ち得たのであった。
久しぶりの会社員(風)態度に私も疲れ切ったのでありました。
赤坂というオフィス街の立派な建物を出て、極度の緊張感から解放された新人君はひょろろろろろーと不思議なため息をついた。 私は彼の努力を称えて喫茶店に彼を誘ったのだった。
とりあえず私も彼も会社に報告せねばならないので、今の打ち合わせを整理し始めたのだけど、ここでの彼は別人。 見事に優秀でなめらかな口調で整理しきり、あまつさえ今の反省点を「自分が緊張しすぎ」 という最大の問題点を迂回しながら語り始めた。一銭にもならんとはこのことではなかろうか。
聞けば元々経理畑の人間で、現場の仕事をしたくて転職したと言うがもはやそれは修行のようなハードルの高さのように思われ、 ポツポツと自分の極度のあがり症を語り始めるとちょっと応援してあげたいなあなんて思っていると
新人君、水をかけられる。
はっきり言う。目を疑った。今度はサ店の姉さんがコーヒーを運んできてじっとしておけばいいものを、 置かれた位置がテーブルのやや隅っこよりだったので新人君がそのカップを移動しようと手を伸ばしたら水のグラスを倒したのである。 しかもその倒れかかったグラスをお姉さんがあわてて押さえようとして逆にこぼしてしまったという、 永久機関ばりの緻密なコントであった。
一日に二度液体をこぼされる人というのを私は生まれて初めて見た。
ていうか3度目までありそうだったのである。
まあ、またがんばりましょう。といってテーブルを立つ瞬間、 新人君がテーブルに引っかかってまたグラスが一瞬グワングワンと回ったのであった。これは幸い倒れなかったが、私は直感した。
彼には神がおりている。笑いの。
そんな神様の愛い奴、彼はそんな状態でも「テヘヘ」とバカボン顔でキュートに照れ笑いをするのであった。ちょっとナイスガイ。
彼とは次もあるのでちょっと楽しみなのである。
ちなみに、彼は歩いている途中で時々手と足が同時に出て立ち止まるという世にも希な珍芸も発見。 不思議世界発見のように止めどなくあふれ出る彼なのです。
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