2006年02月05日

お父さん

うちの近所の喫茶店は学生時代に割合行っていて、フと気が向いて最近数十年ぶりにまたちょくちょく行くようになった。まあ、 本など読んだりしているわけ。

当時のマスターはもうとうに亡くなっていて、 一緒にやっていた息子の代なんだけどその息子も交通事故で亡くなっていて結局今はその奥さんがマスター(?)になっている。 なんだか数奇な運命。奥さんは知らないわけだけど、時々先代やら先々代のマスターの思い出など語ったり。一応おなじみになってるみたい。

狭いけれどロッジ風で木がメインの店内は良い具合にひなびていて落ち着く。学生時代のレイドバック感もあるのかもしんない。

そこのお店に時々手伝いというか邪魔というか彼女の娘が時々いる。高校生。 どう見てもあんままじめそうではないけど妙に愛想はよくて人なつっこい。彼女は私を「お父さん」と最近呼ぶ。なんだかさー。 最初はドキっとするじゃない。でも考えてみれば彼女くらいの娘がいても全然当たり前だし、 生涯お父さんと呼ばれない予定なのでまあ悪い気はしないわね。

奥さんはそんなドギマギしている私に、それ顔なじみで、 相応の年齢の男性をすぐお父さんとかパパとか呼ぶのだと困ったように言い訳をした。猛烈なファザコンなんだそうだ。なるほど、 一番良いときに父親は永遠に氷結してるわけだからファザコンになるかもしんない。

しばらくしてなじみの客に「パパ」が数名いるのを発見。やあ、結構集客に寄与してるんじゃないかしら。

私は時折、やれネットのつなぎかたがわかんないとかテレビドラマの話につきあわされたり。 まあ週に何回も行くわけではないのでそれはそれで和む。よね。

ある日、近くのホームセンターで買い物をしていると高い棚と棚の間を彼女が横切っていくのを発見した。あーいるなーと思う。 ホントに学校行ってんのかなあいつ。とは、思うけどそこで「やーお父さんだよ~」って普通行くか?行かない。あれは喫茶店の「プレイ」 みたいなものだもの。

というわけで確認だけして買い物をしてから店を出る。

出ると駐車場のピックアップトラックの横で彼女が携帯で電話をかけているのをまた見つけた。 運転席には大学生くらいのなんだか青白いのにヒップホップな幽霊みたいな男が座っていてしばらくすると助手席のドアを開けて彼女を手招きした。

その瞬間、ハっと思わず宝くじ売り場の陰に飛び込む私。

イヤ違う。と思う。なぜ隠れる。え。なぜなの私。

父親ってこんな気分かもしれない。と、ちょっと思ったある日の夕方。

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Comment on "お父さん"

つ[隠れた後、ケータイを取り出して撮影してない?]
つ[で、望遠が効かないから「ちっ」とか舌打ちしてない?]
_
っ[そんな時ほど、相手に気づかれてたりして(爆)]

  •   一匹の黄色い猿
  • 2006年02月05日 06:21

僕らの歳でも気分は20代なので自分よりずっと若い子でも恋愛対象になりますね。まあ相手はどう思ってるか分からないけどね。
女性もファザコンぽい子ならまんざらでもないかも。

そんなことも含めて女の子って一番最初に意識する男性って父親なんですね。だから意識しすぎて「お父さんのものといっしょに洗濯しないで」「先にお風呂に入らないで」なんて言う時期があるんでしょう。そういう子に限ってそんな時期が過ぎるとお父さんベッタリだったりする。その間の父親の心境はすごいことになってると思う。
うちにも女の子が一人います。これからどうなっていくのかねぇ・・・・

  •   おんじ
  • 2006年02月05日 12:14

ファザコンの気がある女の子は色んなことを知ってて感覚が若い妙に年上の男性に惹かれる傾向が強いとか何とか。
思うにその子にとってちんさんはホントに「いいおとうさん」なのではないでしょか。
距離感とか考えてくれて居心地のいい、話も面白いナイスなセンスの「おとうさん」。
なんかちんさんが良き父親像に思えたのでありました。
ウチにも女の子のチビスケがいるのですが、遠くない将来「おとうさん、臭いからあっち行って」と言われる日がくるだろうと思っとります(既に被害妄想)。
んでもって、チビスケが大きくなって男の子と仲よさそうに歩いてるところとか見ちゃったらやっぱり隠れちゃうでしょうねぇ(気が早い)。

  •   わにぞ
  • 2006年02月05日 17:39

まぁわたしも息子はいるけど、娘はできない予定です。
娘さんをもつ親の行動って、そんな感じかと想像しちゃいました。

ちなみに、息子が彼女連れて歩いているところを見たらどうするだろう、私。
うーん、息子の心配よりも彼女に見とれてたりして(馬鹿)。

久しぶりにメロウなボンチですね。
父親だって人間なんだよなーと思い出しました。
子供から見ると父親って「人」である前に「父」なんですよね。
明日は父の肩でも揉んであげることにします。

  •   Ta2ya
  • 2006年02月06日 02:51

一匹の黄色い猿よ。変質者のハートと父のような包容力。まさに理想の男性と言えまいか、俺。ていうか盗撮してねっつんだよ。


おんじさん。自分は気持ちが若いと思っているのは自分だけ。ともいいます。とっつかまらないようにお気を付けください。


わにぞさん。そうですねえ、でも喫茶店ではほとんど無口ですのでどーなんだろねー。女の子はどうしても一度おやじを徹底的に嫌うというパターンは多いよう。自立には必要な課程だとか?耐えなさい(はやいか)。


  •   ちん
  • 2006年02月06日 07:17

ゆーまさん。そんな気の早い親子どんぶり聴いたことありません。父親と息子はまたちょっと違うかんじだよね。まあ子供はいないからわかんないです。ええ。


Ta2yaさん。そーねー。俺も子供いないからわかんないよ。でも、ばっかじゃなかろかと思った人間が父親になって教育論とか語ってるのを見ると、親だからちゃんとしてるなんてわけないよなって思います。むしろ自分を棚に上げていくのが親というものかも。いや知らんよ。かっかっか。

  •   ちん
  • 2006年02月06日 07:21

> 自分を棚に上げていくのが親
つ[親は子に育てられて親となる]
つ[育ててやってると思ってると、単なる年寄りとなる]
_
っ[人は環境が育て、環境は人に左右されるとも言う]

  •   一匹の黄色い猿
  • 2006年02月09日 04:46

なんか黄色い猿よ。すごく老賢人みたいになってる。

  •   ちん
  • 2006年02月12日 04:24

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